webライターになるには?スキルセット・必読本まとめ【元採用者解説】

webライターになるには、外注ライターの求人に応募する方法、社内ライターの求人に応募する方法があります。

ただ、webライターになること自体はさほど難しくありませんが、稼げるwebライターになれるかどうかはまた別の話です。

筆者は会社員時代に、自社・外注ライターの採用と育成に携わってきました。

仕事をする中で、単価や時給が上がるライターと、もうお願いされなくなるライターをそれぞれ見てきています。

稼げるライターと、もうお願いされなくなるライターは何が違うのでしょうか?

この記事では、主に以下の点をお伝えします。

  • 採用されるwebライターになるために身につけたいスキル
  • 稼げるwebライターになるために身につけたいスキル
  • 稼げるwebライターになるためのロードマップ など

webライターを本業にし、長く働き続けるためのご参考になれれば幸いです。

稼げるwebライターを目指すべき理由

  1. 最低限稼げないとライターを続けられない
  2. 選ばれる立場のままだといつまでも言いなり

最低限稼げないとライターを続けられない

本業として好きなことを続けるためには、最低限の生活費を稼ぐ必要があります。

特に外注ライターや在宅ライターになる場合、生活できる月収を稼ぎ続けられるかまず計算しましょう。

例えば、文字単価0.6円の求人があったとします。1日に10,000文字執筆し、月20日働くとすると

日給と月収は…

  • 日給6,000円=文字単価0.6円×一日の執筆文字数10,000文字
  • 月収120,000円=日給6,000円×20日

手元に残るお金を増やす方法は例えば…

  1. 生活費を切り詰める
  2. 単価(文字単価、記事単価、時給など)をあげる←ここを伸ばそう
  3. 執筆文字数を増やす

1と3は限界があるので、この記事では2を実現するための対策についてお話しします。

選ばれる立場のままだといつまでも言いなり 

目指すべきなのは希少性のあるライターです。

質の低い文章しか書けないままだと、企業はより安い単価で執筆してくれるライターに依頼するようになります。クラウドソーシングのサイトを見ると、文字単価0.2円のような募集も見られます。

どうかあなたは弱い立場に身をおかないでください。

弱い立場で働いているままだと、単価アップの交渉もできませんし、「職を失うかも」という懸念から、相手の要求を断りにくくなります。高度なスキルを磨く機会にも恵まれにくいでしょう。

しかし、スキルや経験のあるライターであれば、例えば文字単価4円以上で仕事をとることも可能ですし、仕事を紹介される機会も増えます。

では、これからライターを目指す方はどのようなスキルを身につければいいのでしょうか?

以下でご紹介します。

【基礎】採用されるwebライターになるための5つのスキル

採用で落ちないために身につけたいスキルをご紹介します。ライターを採用する際は足切りにする基準(文章の読みにくさなど)があります。このような採用側の事情を理解し、効率よく対策をしましょう。

読みやすい文章を書く力

未経験者歓迎のライター求人に応募すると、サンプル記事の執筆を求められることがあります。このとき、採用する側が見ているのは基本的な日本語能力です(サイエンスライターなどは専門知識の理解もみられますが、ここでは専門分野のライティングはいったん除外)。

採用者が文章をチェックする時に見ているポイントには、例えば次のようなものがあります。以下の点を避けて文章を書くことで、足切りにされるリスクを減らせます。

【チェック時に特に見ているポイント】

悪い例 良い例
抽象的な表現 離婚する夫婦は多いです。 平成21年の離婚件数は25万3408組です。
冗長表現・文字数稼ぎ 文字数を稼ぐことができます。 文字数を稼げます。
過度な誤字脱字 (略)書き終わった後に再確認を
内容の誤り・理解不足 (略)特定分野の執筆数や読書量を増やせば解決
個人の意見ばかり書く 個人の感想ではなく事実を書く
論理的な構成・文章か 論理が破綻していると修正が面倒なので取りたくない

もっとも、最初から上手な文章を書く必要はありません。読みやすい文章を書くだけであれば、文章力の本を読んで少し練習をするだけで比較的楽に身につけられます。

例えば、中学生からの作文技術には、読みやすい文章を書くための技術が書かれています。文字通り、中学生でも理解できるわかりやすさです。もちろん中身は決して中学生向けとは言えないほど実用的。駆け出しライターに必ずおすすめしている一冊です。

この本の内容が実践できれば、「文章がわかりやすい!」と言われる日も近いと思います。

論理的な構成・文章を作成する力

論理が破綻している文章や、何が言いたいのかわからない文章は、サイトからユーザーが離脱する原因になります。論理的な構成や文章を作成する力が身につくと、もう初心者は卒業です。

「頭ではわかっているつもりでいたけど、文字にしようと思うと言葉が出てこない」といった経験がある方は、ロジカル・ライティングなどを読んでみてください。文章を構築するための型が多数記載されているので、明日から試せます。

より本格的な本が読みたい方は、考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則などがおすすめです。マッキンゼーなどのコンサルファームで文章術を教える著者が、物事を論理立てて説明する方法を解説しています。筆者はこれ一冊を何回も読みました。

リサーチ力

確かな情報を発信するために、ソースにはこだわりましょう。例えば、離婚系の話を書く際は、「離婚 統計」などと検索すれば、厚生労働省の統計を見つけられます。信頼できるソースを見つける癖をつけましょう。

リサーチを軽んじて記事を書くと、例えば「肩こりは幽霊が原因」 WELQの“トンデモ記事”ができるまで 調査報告書で明らかにのような問題に巻き込まれる恐れもあります。多少極端な例ではありますが、低賃金で働かされたあげく、「ライターの責任」と言われればたまったものではありません。

執筆速度

ライターになりたての方であれば、少し努力すれば執筆速度をあげられます。外注ライターをするにしても、社内ライターになるにしても、早く書けるに越したことはありません。

【執筆方法をあげる方法の例】

  • タッチタイピングの練習をする
  • 執筆分野の知識を増やし、1記事あたりのリサーチ時間を減らす
  • ショートカットキーを覚える
  • 時間がかかった場所や理由をメモし、対策を考える
  • 書きやすい場所から書く

経験と実績

上記を一通りマスターしたら、文章を書いてお金をもらう経験を積みましょう。経験者の求人に応募できるようになれば、時給が上がります。

例えば、東京都内だと時給1,600円~1,800円あたりの求人も珍しくありません。ここまでこれば、ひとまず本業ライターとして生活していけます。

上記スキルと業務経験を得た方は、ご意向に応じて以下のようなスキルを身につけてみてください。

【応用】稼げるwebライターになるために身につけたい12のスキル

webライターの方がさらなるキャリアアップを目指す際に身につけたいスキルには以下のようなものがあります。

将来の方向性が定まっていない方は、伸ばしたいスキルを探してみてください

  • ライティング能力特化系4つ
  • サブスキル習得系4つ
  • 人間力を活かす系4つ

ライティング能力特化系4つ

ライティング能力をさらに磨き上げる方向性の場合は、以下のスキルを身につけてはいかがでしょうか。

専門分野の知識

専門性が高くなればなるほど、その分野をわかりやすく文章にできる人の数は減ります。よって単価が上がります。興味のある分野が明確であり、かつその分野で高単価の応募がある場合は、専門知識を掘り下げるのも良いでしょう。例えば、医療、金融、投資、法律分野などは1 文字4円を超える案件を狙いやすいかと。

ユーザー理解

ユーザーの悩みをよく理解しているほど、求められているコンテンツを作りやすくなります。後述するSEOライティング・コピーライティングをする際に大きなアドバンテージとなります。最低限の生活費を稼ぐのはもちろん大事ですが、できれば自分が関心のある分野の求人に応募したいところです。

SEOライティング

検索結果に上位表示させるためのライティング方法のことです。SEOで結果を出せるライターになると一気に希少価値が上がります。

ただ、SEOの場合、「こうすれば絶対にうまくいく」という方法がありません。SEOについて基本的な考え方を理解した後は、実践を積んで経験値を得るのが近道です。

【SEOの基本を理解できる本】

10年つかえるSEOの基本

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘

コピーライティング

SEOライティングがアクセスを増やすためのスキルだとすれば、コピーライティングは成約率を高めるためのスキルです。web業界では、ランディングページを作成する際によく使われます。専門分野の知識とユーザー理解に加え、コピーライティングがあると文章でものを売れる人になれます。

【コピーライティングが効果的に身につく本】

人を操る禁断の文章術:メンタリストDaigo師匠による心理学を使ったコピーライティング本。

「強い文章力」養成講座:コピーライティングを習得するための本。実用性が高く重宝した。

ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則:コピーライティングのバイブルといえる本。分厚いが読み返すたびに学びがある。本棚に置いておきたい。

サブスキル習得系4つ

もはやwebライターと呼べるかは不明ですが、関連領域のスキル習得も一考に値します。

スキルが増えるほど競合が減るため、キャリアがユニークなことになります。目指せ魔法戦士!

WEBマーケティング

ライターのマネジメント、広告運用、データ分析など、ライティング以外でサイトの成長を支える職種。マーケティングに関心がある方におすすめ。

Googleアナリティクスが見られるようになると、自分が書いた記事がどのくらいの人に読まれているのかがわかるようになります。自分の記事のうまくいっているところと、そうでないところがわかるようになるため、ライターとしての成長が加速します。

デザイン

文章が読まれるかどうかは、文章力だけで決まるわけではありません。サイト自体の見やすさや、フォントや行間、文字の大きさなども影響します。デザインに興味がある場合や、自分でサイトを作りたい場合などは、積極的にデザイナーと絡んでおくと勉強になります。

エンジニアリング

サイトの改修を通してサイトパフォーマンスを改善できます。ライターというよりも、マーケターとの相性が良いかもしれません。今ニーズが多いエンジニアリング関係のライティングができるようになるので、本業の安定感も増します。

サイト運営経験

自分でサイトを運営すると、サブスキル習得系でご紹介したスキルをほぼ全部ちょっとずつかじることになります。お金を稼ぎつつ経験を得られるので、やらない理由はありません。

人間力を活かす系4つ

内向的な方だとちょっと気がひけるかもしれないですが、以下のスキルがあればライターとしての安定感が爆上がりします。

営業力・交渉力

自分で営業ができるようになれば、独立は目前です。極端な話、これまでに説明したスキルが多少お粗末でも、営業がうまければ高単価の案件にありつけます。

求人を出していない企業に営業を仕掛ければ、高単価かつ競合不在というニッチを見つけられます。

営業関係だと営業の魔法が大変参考になりました。営業で成果を出すためのスタンスや方法について、物語形式で解説した本。相手の話を聞くことを大事にしているので、内向的な方も気軽に試しやすい。著者は外資系営業会社で2年連続世界トップ・10に名を連ねた実績を持つ。

知名度

本名またはペンネームを明かしてライターをすると、そのうち知名度が出てくるかもしれません。執筆分野界隈で有名になりたい方は知名度をあげる方針でいくのも良いかと。SNSやブログの運営を強く推奨。

人脈

退職後も、仕事を振ったり振られたりします。知人経由での紹介は安心して受けられますし、万一収入がなくなったときも仕事をもらえるかもしれません。

愛嬌

完全におまけの項目。ただ、愛嬌がある人は失敗したときに許されることが多かったり、切られにくかったりします。ライターは納期に追われることもありますし、周囲の助けが得られるに越したことはありません。努力で身につくのか…

【おすすめ書籍】

なぜかまわりに助けられる人の心理術

 

稼げるwebライターになるためのロードマップ

それでは、上記を踏まえて今後どのようなアクションをするべきか、考えていきましょう。

方向性を決める

まずは、webライターとしてどんな働き方をしたいのか明確にしましょう。応募先の企業によって執筆分野や身につけられるスキルが変わってきます。当記事でお伝えしたスキルなどを参考に、一度考えてみてください。

求人に応募する

方向性が定まったら、求人に応募しましょう。

外注ライターか、社内ライターかを決めることになります。

双方のメリット、デメリットは例えば…

メリット デメリット
外注 ・自由に仕事できる

・会社に通わないで良い

・仕事を選べる

・初心者、未経験者は文字単価が低くなりがち

・自分が書いた記事のパフォーマンスが見れない

・自己解決できない時に聞ける人がいない。

社内 ・時給で働けるため、初心者は外注より稼ぎやすい

・自分が書いた記事のパフォーマンスをみられる

・周囲の人の知識やスキルを吸収できる

・出勤しなければならない

・一定以上スキルを身につけると、待遇が物足りなくなることも

上記を総合すると、webライター未経験者の方は、社内ライターになった方がお得です。理由は次の4つです。

  1. 外注よりも稼げる。
  2. 記事を修正している間も時給が発生。修正を通して文章力が上がる
  3. 自分が書いた記事のパフォーマンスを見れる。試行錯誤ができ、書きっぱなしにならない
  4. わからないことがあったときに周りに聞ける

経験を積む・スキルを磨く

器用貧乏になるかマルチタレントになれるかの分かれ目。

職を得たら、一通り業務を極めましょう。一定以上のスキルを身につけてから別のスキルを身につけた方が、スキル同士の相乗効果を得やすくなります。

希少性の高い人材になれるので、転職をする際などに有利な条件を得やすくなります。頑張り続けるためにも、努力に値する分野や、企業を選ばなければなりません。

より良い条件を得る(待遇UPor転職)

ある程度経験を積むと、現在の待遇に満足できなくなることや、今いる場所で学べることがなくなってくることがあります。

目ぼしい経験を積んだら、社内転職をするも、別の企業に転職するも、独立するも自由です。次のステージに進みましょう

稼げるwebライターになるために利用したい転職サイト・エージェント3つ

スキルが高いwebライターになるためには、少しでも優秀な人が多い企業に入社したいところ。最後に、webライターになりたい方に向けて、転職サイト・エージェントを3つ厳選しました。転職エージェントは転職のサポートをしてくれるため、経験不足を補えます。目的に叶いそうなサービスがあれば、使ってみてください。

マスメディアン:広告・Web業界の求人が豊富

「コピーライター養成講座」など、広告業界で有名な宣伝会議グループの企業が運営。広告業界・Web業界での知名度とネットワークがあるため、他のエージェントが紹介してくれないような求人に出会える可能性があります。ただ、求人の総数は少なく、約7割の求人が東京勤務。地方在住の方は、リクルートエージェントの方がお近くの求人を紹介してもらいやすいかもしれません。

Green:IT・WEB業界の求人が豊富

IT業界最大級の転職サイト。求人詳細、企業詳細、PR、インタビューと企業の情報が豊富なため、どのような事業をしており、どのような人を求めているのか、他サイトよりも情報収集がしやすいです。自分の方向性にあった職場を見つけるためにも参考にしたいところ。

リクルートエージェント:業界最大手のため、求人の数が豊富

マスメディアン、Greenのように、業界特化ではないが、転職業界最大手だけあって求人数が多い(非公開求人だけで10万件 2020年8月時点)。リクルートエージェントで幅広く求人を紹介してもらい、マスメディアンやGreenでニッチな企業を探すのがおすすめです。

まとめ

この記事では、稼げるwebライターになるために、身につけたいスキルやおすすめ本、ロードマップなどをご紹介してきました。キャリアを形成する上での参考になれましたら幸いです。