グロースハックとは?指標と施策、おすすめ本12冊をご紹介

グロースハック(英:Growth Hack)とは、成長する仕組みを製品・サービスに埋め込む手法のことをいいます。ユーザーの行動データを分析し、仮説・検証・改善のサイクルを高速回転させることで、広告費をかけずに急成長を目指します。

 

従来のマーケティングと比べると、お金(広告)ではなく知恵(開発)で急成長を目指す点に特徴があるので、予算が限られるスタートアップや個人の方、データが多い事業と相性が良い考え方といえます。

 

この記事では、主に以下の点について解説します。

  • グロースハックの全体像
  • グロースハックの重要指標と施策
  • グロースハックに使えるツールと本

 

グロースハックの全体像

最初に、グロースハックの全体像をざっくりと見ていきましょう。

 

以下5点についてご説明します。

 

  1. グロースハックとは
  2. グロースハッカーとは
  3. グロースハッカーのスキルセット
  4. グロースハッカーになるには
  5. AARRRモデルの概要

 

グロースハックとは

グロースハック(英:Growth Hack)とは、成長の仕組みを製品・サービスに埋め込むマーケティング手法のことをいいます。データを分析し、仮説・検証・改善のサイクルを高速回転させることで、広告出稿に依存せずに急成長を目指します。

 

具体例を見ていきましょう。

 

例えば、amazonで買い物をするとき、画面構成が頻繁に変更されていると気づくことがあります。

 

参照:amazon.co.jp

 

筆者は「よく一緒に購入されている商品」を見て、ついつい買う予定がなかったものまで買ってしまうことがあります。

機械学習を使い、ある商品を購入した人はどの商品を買う可能性が高いか、という点を分析すると、効果的なレコメンド機能を実装できます。

Amazonには、他にも「最近チェックした商品」「今すぐ買う」「星4つ以上」など行動データをもとに考えたと思われる機能や項目が多数あります。

あくまで表面的な例でしたが、このように、データを活用し、製品・サービスの仕様を改善し続けるアプローチ方法がグロースハックです。

 

グロースハッカーとは

グロースハッカー(Growth Hacker)とは、成長を至上の目的とし、急成長に必要なあらゆる施策を実行する人のこと。アメリカの企業家 ショーン・エリス氏が自身のブログ「Find a Growth Hacker for Your Startup」にてグロースハッカーについて述べたのが始まりです(2010/6/26)。

 

従来の広告に頼らずにプロダクトの成長を導ける人を指し示すために、新しい固有の名称を生み出したようです。ショーン・エリス氏は記事の中で、グロースハッカーとはどんな人なのか、以下のように説明しています。

 

グロースハッカーの特性

  • 成長への責任と企業家精神を持っている
  • ターゲットとする市場と自身の製品・プロダクトに燃えるような情熱を持っている
  • 他社の成功事例を応用するのに加え、独創的でユニークな施策を打てる
  • エンジニア出身でもセールス出身でもok

 

優れたグロースハッカーの特性

  • 施策に優先順位をつけられる
  • 続ける施策、やめる施策を判断できる
  • 改善を素早く繰り返せる
  • 拡大と反復が可能な方法を見つけられる

 

この記事を書く際に本やサイトをいくつか見てきましたが、グロースハッカーがエンジニアリングをできた方がいいという見解、できなくても他の人に頼めればいいという見解がありました。あくまで効果的な施策と仮説検証を高速で実行できる体制であれば問題はなさそうです。

 

グロースハッカーのスキルセット

グロースハッカーとして身につけたいスキルは次の通りです。

 

筆者の独断で優先順位をつけました。

 

  1. データ分析(マーケティング)
  2. プロジェクトマネジメント
  3. UI/UXデザイン
  4. プログラミング(HTML/CSS/JavaScript/Python/PHP/SQL等)
  5. 統計学

 

なお、これらのスキルを全部持っている必要はありません。ご自身の得意分野を中心に技を発展させていくといいでしょう。専門性があるのに越したことはありませんが、各分野の人と意思疎通ができる程度のリテラシーがあれば一旦十分です。

 

データ分析(マーケティング)

成長につながる施策をデータをもとに判断する必要があるため、大前提としてデータは見られた方がいいでしょう。A/Bテストによって施策の良し悪しを判断できることも重要です。なお、ここでは、データ分析≒マーケティングとして話を進めていきます。マーケティングの施策を考える際は、データ分析が必須になるためです。

 

プロジェクトマネジメント

ほぼ同率1位といっていいのがプロジェクトマネジメント。

 

エンジニアやデザイナー、各方面の責任者を巻き込んで仕事を進めるコミュ力と権限が必要です。

 

UI/UXデザイン

画面の構成を変更する機会が多いため、UI・UXに精通する人材がいるとベター。ファッション系や競合が多い領域ほど重要度が増す。

 

プログラミング(HTML/CSS/JavaScript/Python/PHP/SQL等)

アイデアを形にするエンジニアが必要です。ゲームのようなコードやデータが多い製品の場合は優先順位がさらに高くなります。

 

非エンジニアの方であれば、基礎知識だけでも勉強しておくと業務効率がかなり上がるでしょう。グロースハックを実践していると、反復する業務が増えてきますが、プログラミングの知識があればこれらを自動化できます。

 

また、実務上はサイトの構成や見た目を変更する機会が多くあります。HTML/CSSがわかれば、簡単な改修であれば自力で終わらせてしまえます。本格的な改修はエンジニアでなければできませんが、簡単な改修が必要なシーンも多いのでコスパはいいかと。

 

統計学

データ量が多くなるほど重要度が増します。データが少ないうちは急いで勉強する必要はありません。極端な話、事業の初期段階では、分析ツールの見方がわかり、数字が増えたか減ったかさえわかれば一旦大丈夫です。

 

データが増えてきたり、より効果的な分析をしたくなったりした場合は、統計基礎〜回帰分析あたりを押さえておけば大抵は事足りるかと思います。

 

ゲーム業界のように、データが多く、かつ変数が複数あるような場合は、機械学習も必要になってきます。

 

グロースハックに必要な3つの環境

グロースハックの効果を存分に発揮するには、次のような環境を整える必要があります。

 

  1. グロースハック専門のチームを置く
  2. 変更権限がある人を巻き込む
  3. 失敗が許される

 

1.グロースハック専門のチームを置く

グロースハックを複数人で行う際は、マーケター、エンジニア、デザイナー等で一つのチームを構成します。職種別に部署がわかれていると、各人の利害関係が異なるので、グロースハックに関するタスクが高速で実行されにくくなります。

 

2.変更権限がある人を巻き込む

グロースハックを行う際は、方向性を変更することがよくあります。事業責任者、および製品・サービスの変更権限を持つ人を巻き込んでいれば、スピーディーに路線変更できます。

 

3.失敗が許される

グロースハックはトライアルアンドエラーの連続です。エラーしてはいけない組織や状況には馴染みません。

 

グロースハッカーになるには

グロースハッカーになる方法は明確には存在しません。グロースハッカー自体が比較的最近できた職種であるためです。

 

ここでは、グロースハッカーとしてある程度お金を稼げるレベルになる方法について、個人の見解を述べます。

 

【前提条件】

  1. 個人がスキルアップをする際の方向性について言及。
  2. グロースハッカーは多芸な人(ゼネラリスト)である。

 

社内転職を繰り返す

グロースハッカーには、幅広い職種の人と意思疎通ができるリテラシーが必要です。

 

今の職種のレベルがある程度高まったら、2~3年ごとに別の専門分野に集中して取り組みましょう。

 

ただ、日本には転職回数が多いことをよしとしない文化があるため、グロースハッカーは育ちにくいといいます(米国のグロースハッカー、ジェームス・ホロー氏)。

 

この点を踏まえると、比較的手軽にできる社内転職がおすすめです(目ぼしい職種の人が社内にいる場合に限る)。

 

社内転職をする際は、上司だけではなく、人事権について決定権を持つ人に話を通しましょう。上司の上司や、社長、事業部長、彼らに好かれている人に話を通すと比較的スムーズに目的を達成できます。

面接時や入社時に「いろんな職種を経験したい」と意向を伝えるのも良いと思います。

 

いろんな職種の人と仲良くなる

同じ職種の人と仲良くなるのはもちろんのこと、別の職種の人とも仲良くなっておきましょう。

 

筆者はマーケター出身ですが、以前サイトデザインの原案を考えていたことがあります。デザイン素人ですから、ネットや本で何時間も調べても、当然納得のいく原案はできません。このときデザイナーの方に助言を求めたのですが、ネットには出てこない細かな疑問をいともたやすく解決してもらえました。

 

このように、別分野の知識を持つ人と知り合っておくと、自分に足りない知識を補強してくれます。加えて、会社をやめた後も仕事を依頼されたり、依頼したりすることがあります。素敵な仲間を増やしましょう。

 

グロースハッカーの求人に応募する

日本でもグロースハッカーという用語は一定の認知を得ており、グロースハッカーの求人を出す企業もいます。

 

もっとも、求人の質は玉石混交なので見極めが必要です。面接をする際は、以下のような質問をして、相手がどの程度の知識を持っているのか確認しましょう。

 

  • 最近うまくいった施策は何か、何がどのくらい改善したか(数字で判断しているか)
  • データ分析やA/Bテストはどうやってしているか(どのツールを使っているか)
  • マーケター、エンジニア、デザイナーは何人ずついるのか

 

上記の質問で、製品サービスに真摯に向き合っている企業なのか、それとも求職者を集めるためにグロースハッカーと書いちゃっただけなのか確認できます。

 

まずは1つの分野で経験・実績を積むと声がかかりやすくなる

一芸があると、仕事をもらったり、信頼されたりしやすくなります。

 

ここでの分野は、指標・職種・媒体を指します。

 

  • 指標…セッション数改善 コンバージョン率改善 など
  • 職種…マーケティング、エンジニアリング、デザイン など
  • 媒体…サイト、アプリ など

 

実績を積んだ上で新しいことにチャレンジし、多芸になっていけるといいでしょう。実績がある人の方が上司もお客さんも安心して任せられます。

 

AARRRモデルとは

AARRR(アー)モデルとは、製品・サービス利用者の行動を5段階分類したもの。各段階で主要指標(KPI)を定め、主要指標を伸ばす施策を実行します。グロースハック界隈でもっとも使われているモデルです。

 

【AARRRモデルの5段階】

フレームワークを活用するメリットには、次のようなものがあります。

  • 全体像を見られる
  • 施策に優先順位をつけられる
  • チーム内で認識を共有できる

 

グロースハックをする際はやるべき施策が無限にあるため、フレームワークを使い優先順位をつけることが大事です。

 

Acquisition(ユーザー獲得)とは

ユーザー数をなるべくおおく獲得すること。とにかく多くの人に認知されないことには、継続や収益化の施策を打っても、得られる成果は限られています。

Activation(ユーザー活性化)とは

ユーザーに製品やサービスの良さを一発で理解してもらうこと。価値が十分に伝われば、今後リピートされる可能性が高くなります。

Retention(継続)とは

製品やサービスを再び利用してもらうための施策を打つこと。長く利用してもらうことで、顧客一人当たりの売上増を目指します。

Referral(紹介)とは

製品・サービスの紹介をユーザーに促すこと。比較的少ないコストで新規顧客を獲得しやすい。

Revenue(収益化)とは

儲けること。収益化のモデル(レベニューモデル)には、次のようなものがあります。

  • 広告モデル:サイト・アプリの一部を広告枠として販売するもの
  • コマースモデル:eコマースや通販など、購入代金を得るもの
  • 手数料モデル:売り手と買い手を仲介して手数料をもらうもの
  • 課金モデル:ユーザーに課金してもらい収益を上げるもの

 

 

【段階別】AARRRモデルの指標と施策例

ここでは、AARRRモデルにおける指標と施策の例をとりあげます。

 

なお、製品・サービスの提供の仕方によって適切な指標は異なるので、目的にあった指標を選んでください。

 

指標を選ぶ際のポイントは…

  • 主目的(売上増など)に直結するか
  • 計測可能か
  • 努力で改善可能か

 

では、各段階における指標と施策を見ていきましょう。

 

Acquisition(ユーザー獲得)の指標と施策

サイトやアプリへの訪問者・利用者を増やす際の指標と施策の例をご紹介します。

 

【製品・サービス初期段階での注意点】

  1. A/Bテストよりも母数の最大化を優先する
  2. そもそもニーズがあるのか検証する(Activationと同時並行がおすすめ)

 

Acquisitionの指標

【サイト】

  • セッション:ユーザーがサイトに訪問し出ていくまで

 

【アプリ】

  • ダウンロード数(有料アプリ)
  • アカウント作成数
  • アクティベーション数

 

【共通】

  • 会員数(有料・無料)

 

【微妙な指標】

  • PV(ページビュー):広告表示の回数に依存するビジネスでない限り、PVよりも人数を見た方がいい
  • ダウンロード数(無料アプリ):ストアランキングに影響はあるかもしれないが、アクィベーション数やアカウント作成数の方が収益に直結する

Acquisitionの施策

【サイト】

  • SEO:検索エンジン最適化
  • MEO:地図エンジン最適化

 

【アプリ】

  • ASO:アプリストア最適化
  • アプリストア内の紹介文改善
  • 別のアプリなどから誘導

 

【共通】

  • SNSアカウントの作成と運用
  • プレスリリース
  • インフルエンサーマーケティング
  • 被リンク獲得
  • リスティング広告
  • Facebook広告

 

グロースハックをする際は無料にこだわる必要はありません。リスティング広告を使うと、オーガニックセッションがない段階でもコンバージョンを増やせます。ユーザーニーズがあるかどうか確認する機会にもなるので、商材がある場合は試してみましょう。

 

また、Facebook広告は比較的安価なため気軽に試せます。SNS経由の流入について検証する機会にもなります。

 

Activation(ユーザー活性化)の指標と施策

ユーザーに製品・サービスの価値を伝えるフェーズです。活性化がうまくいけば、リピートや拡散、購買につながります。

 

Activationの指標

【サイト】

  • 記事の検索順位(優先度高)
  • ブックマーク数
  • 直帰率
  • 離脱率
  • 読了率
  • 遷移率(誘導したいページがある場合)

サイトの場合、上記の指標は追いにくい。ユーザーがサイト上でどのように行動しているのか、たまに数値を見て想定する程度でいいと思います。

記事を改善する際は、ヒートマップがあると効果的な価値提案や訴求のヒントになる。

 

【アプリ】

  • アクティブユーザー数
  • 訪問頻度
  • 利用時間
  • ダウンロード後の削除率

 

【微妙な指標】

  • サイト滞在時間:エンゲージメントやアクティブユーザー数の代わりにはならず。
  • フォロワー数、いいねの数:目的がない限り追う必要性は低い。自社製品・サービスを購入するフォロワーの割合がわかれば、何か手を打てるかも

Activationの施策

【サイト】

  • 内部リンク(導線)の最適化
  • タイトル・導入文改善
  • 読了率改善

※ある程度流入を増やしてから手を出すのが吉

 

【アプリ】

  • チュートリアル改善
  • プッシュ通信実装
  • お知らせ機能実装

 

【共通】

  • 価値提案
  • UI/UX改善
  • PSF:サービスがユーザーに求められているか確認
  • 目の前でユーザーに使ってもらう

 

Retention(継続)の指標と施策

ユーザーに継続して利用してもらうための仕組みを作る段階です。アプリの場合は特に重要です。

 

Retentionの指標

【サイト】

  • 解約率(会員・登録者など)
  • 再訪ユーザー数

 

【アプリ】

  • 継続率:アプリに再訪するユーザー数
  • 機能利用率(価値のある機能がちゃんと使われているか)

 

Retentionの施策

【サイト】

  • メルマガ改善
  • 会員登録のインセンティブ見直し
  • 製品・サービスの見直し

 

【アプリ】

  • チュートリアル改善
  • アプリ内メッセージ改善
  • プッシュ通知最適化(A/Bテスト)

 

Referral(紹介)の指標と施策

紹介による新規ユーザーを増やす施策、別サイトから遷移してくるユーザー数を増やす施策などがあります。

 

Referralの指標

全体的に追いにくい指標が多い。目的がない限り、積極的に追わなくてもいいかもしれません。

プロモーションを実施した際に、バイラル係数を計測すると、拡散度合いがわかる。

【サイト】

  • セッション(Referral)
  • 被リンク数

 

【アプリ】

  • 口コミ流入:紹介でDLしたユーザー数
  • レビュー数
  • ツイート数
  • SNS投稿数

 

【共通】

  • バイラル係数:サービスの拡散度合いを示す指標

 

Referralの施策

【サイト】

  • 会員に紹介を促す
  • 別サイトにリンク設置(質のいいリンクのみ)

 

【アプリ】

  • レビュー依頼ダイアログ設置
  • シェア機能の見直し

 

【共通】

  • 利用者に紹介を促す(インセンティブがあればベター)
  • インフルエンサーマーケティング:発信力のある人に紹介してもらうこと
  • バイラルマーケティング:友人や知人への紹介を促す手法
  • バズマーケティング:バズを狙う手法

 

Revenue(収益化)の指標と施策

サイトやアプリで売上を増やす際の指標と施策です。

製品やサービスと相性の良いレベニューモデル・指標・施策を選んでください。収益のあげ方によってやるべきことはかなり変わってきます。

 

Revenueの指標

【サイト】

  • CV数・CVR

 

【アプリ】

  • ダウンロード数(有料アプリ)
  • 課金ユーザー率

 

【共通】

  • 商品単価
  • 顧客単価
  • 一度あたりの購入品数
  • 購入頻度
  • LTV

 

Revenueの施策

【サイト】

  • LPO:ランディングページ最適化
  • 導線最適化
  • CV数・CVR改善
  • 既存記事へのテコ入れ
  • 扱う商品・サービス追加

 

【アプリ】

  • 課金ユーザー率改善
  • 継続率改善
  • 課金対象を増やす
  • 重課金者のデータを分析

 

【共通】

  • 顧客単価改善
  • バナーの改善
  • フォームの最適化
  • フリーミアム導入
  • プランを3段階にする

 

グロースハックのツール

グロースハックを実践する上で利用したいツールをご紹介します。

 

ツールを選ぶコツは…

  • 計測したい対象が明確になり、既存のツールで解決できない場合に新しいツールを探す
  • 無料トライアルでツールを3種類くらい試してみて、よかったものを採用する
  • UIの使いやすさ、データベースに記録される項目をチェックする

 

アナリティクス【最優先】

ユーザー行動を分析する際に必須のツール。基本的に無料で利用できるうえ、製品・サービスを改善する上で基本的なデータが手に入ります。

 

  • Google Analytics:サイトに訪問したユーザーの行動分析ツール
  • Google Tag Manager:計測タグ、広告タグを管理するツール
  • Search Console:Google検索からの流入を分析できるツール
  • Twitter Analytics:ツイートへの反響を分析できるツール
  • Google Analytics for Firebase:アプリ利用者の行動分析ツール

 

ヒートマップ

ヒートマップを使えば、特定ページでのユーザー行動が色付けされます。コンバージョンの多いコンテンツにテコ入れをする際や、ページのスクロール率を上げる際などに重宝します。事業の初期段階では不要ですが、アクセスが集まりはじめたら導入を検討しましょう。

 

  • ミエルカヒートマップ:1万PVまで無料。改善前後のキャプチャを自動取得する機能あり
  • Ptengine:Google Analyticsと連携し、アクセス解析も可。
  • User Heat:30万PVまで無料。ABテストはできないが無料トライアルのコスパ◎
  • User Insight:ユーザー行動・属性を詳細に分析可能。アクセスが多いサイト向き

 

アンケート

利用者や見込み客の声を集めたいときに有効。事業の初期段階ではユーザーニーズを探るフェーズがあるため、軌道修正をする際に活用したい。

 

  • Qualaroo:ショーン・エリス氏が作ったアンケートプラットフォーム。
  • Google Forms:アンケートの作成・共有が可能なツール。手軽に試せます。
  • Questant:クラウド型アンケートツール。ネットリサーチ企業マクロミルのサービス。

 

A/Bテスト

急成長には欠かせないA/Bテスト。是非とも使いやすいツールを選定したいところです。サイト運営者の方であれば、Google オプティマイズあたりから試してみるのが手軽でおすすめです。

 

  • KAIZEN PLATFORM:サイト・動画改善に精通するグロースハッカーを多数擁するプラットフォーム。
  • Google オプティマイズ:手軽にA/Bテストを試せる。とても便利。
  • Growth Push プッシュ通知解析サービス。アプリの改善におすすめ。

 

ライブチャット

ページを見たユーザーが何を考えているのか理解したくなったらライブチャットの導入を検討しましょう。ただし、対応コストがかかるため、工数に余裕がない時に導入しても成果は期待しにくいでしょう。

 

  • Flipdesk:サイト訪問者の行動を把握しつつweb接客可能。ECサイトでの導入例が多い。
  • Chamo:自動話しかけシステム搭載。LINEやSNSとの連携可。
  • LiveChat:サイト・アプリに組み込み可能。リアルタイムでユーザーと会話できる。

 

グロースハックを実践するための本12冊

最後に、グロースハックを理解・実践するために読んでおきたい本を12冊ご紹介します。

 

グロースハックの全体像を理解できる3冊

 

グロースハックの関連本です。グロースハック完全読本はグロースハックの生みの親であるショーン・エリス氏による著書。上記は当記事を執筆する際の参考書籍でもあるので、この記事にあった内容をより深く知りたい方は読んでみてください。

 

データ分析に活かせる3冊

 

成長に直結するようにデータを活用するには知識と経験が必要です。上記の書籍を読むと、具体的にどの指標をみて、どのように分析をすればいいのか理解できます。

 

Webサイトを運営する方は、「Googleアナリティクス分析・改善のすべてがわかる本」のようなGoogleアナリティクス本を一冊手元に置いておくと安心です。なお、購入する際はなるべく直近で販売された本を選ぶのがおすすめです。Googleアナリティクスのインターフェースが度々更新されるためです。

 

データ・ドリブン・マーケティングLean Analyticsは効果的にデータを活用する際に参考になった本なので、個人的におすすめです。

 

製品・サービス構築の参考にしたい3冊

 

グロースハックとデータ分析は理解したが、製品・サービス改善のアイデアはどうやって出せばいいんだ、と思った時に読みたい本。

 

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルールは継続して利用されるサービスをどのように構築するかについて述べた本です。アプリ開発のように、リテンションを高める必要性が高いサービスに携わる方におすすめです。

 

また、コピーキャット―模倣者こそがイノベーションを起こすはイノベーションを起こすには模倣が有効である点、模倣のメリットやリスクなどが解説されています。例えばAppleのようなイノベーティブな企業といえども、全くの0から新しいものを生み出しているわけではありません。

 

新規事業を成長させる際、周りを見渡せば参考にできる製品やサービスは多いはず。車輪を再発明することなく、他社の成功事例を模倣・発展させることが急成長の鍵です。この本には模倣のフレームワークも乗っているので、具体的にどこを模倣すればいいのか判断できるようになります。

 

サイト・アプリ改善に活かせる3冊

 

サイトやアプリをどのように改善するか迷った時に読みたい本3冊をご紹介します。

 

現場のプロから学ぶ SEO技術バイブルは、文字通りSEOの技術面を紹介している本です。サイトを作ったは良いがSEOに強い設計にしていなかった、という方はぜひ手にとってみてください。

 

サイトを改善する際は、どのような施策があるのか幅広く知っておくと、手軽かつ効果が大きい施策を選びやすくなります。

 

現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書には、サイト改善の施策が網羅されています。追うべき指標や計測の仕方についてしっかり書かれているため、アクションに移りやすくて◎。

 

企画からプロモーション、分析、マネタイズまで 事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87は、数少ないアプリマーケティング本。

 

スマホアプリマーケティングの全体像を理解した上で、フェーズごとに打つべき施策がわかります。施策ごとにツールや計測方法も紹介しており、実践的です。AARRRモデルにも触れているので、グロースハッカーの方とは相性の良い本かと。

 

まとめ

グロースハックは、広告ではなくサイト内外改善を高速で行うことで、少ない予算で急成長を目指せる手法です。

 

グロースハッカーのスキルセットは、マーケティング、エンジニアリング、デザインのように多岐にわたっているため、複数人でチームを作ることも多いようです。AARRRモデルなどを活用し、ユーザー行動を把握しつつ、重要指標を設定。データをよく見て急成長に直結しそうな施策から試していきましょう。