SEOを成功させるには、成果につながるキーワードと、そうでないキーワードを見極める必要があります。
筆者はwebディレクターとして、規模にして月間セッション数十万、記事数300以上のサイトを運営していたことがあります。
これだけ記事があると、当然成果につながる記事とそうでない記事の差が見えてきます。
これらの記事をグループ化すると…
- サイトの総成約数の80%を稼ぎだす20%の記事群
- 目立たないが毎月3件ぐらい安定して成約する記事群
- アクセスはあるもの全く成約しない記事群
- アクセスも成約も全くない記事群
サイト運営者としては、①と②の記事を増やし、④の記事はなるべく作らないようにしたいところ。
この記事では、WEB集客で成果を出すための、超実践的キーワード選定方法をご説明します。
SEOキーワード概要|初心者が押さえるべき用語はこの6つ
キーワードを選定する際は、最低限以下の用語さえ知っておけば、スムーズに業務を進められます。わからない箇所だけお読みください。
- SEOキーワード
- 検索ボリューム
- CPC
- 共起語
- 他のキーワード
- キーワード選定
SEOキーワードとは
SEOキーワードとは、GoogleやYahoo!等、検索エンジンの検索窓にユーザーが入力するキーワードのこと。SEOをする際は、特定のキーワードで検索したときに、検索結果に上位表示されるようにコンテンツを作成します。
検索ボリュームとは
特定のキーワードが1ヶ月あたりに検索された回数のこと。アクセスされるページを作るためにも、狙っているキーワードが月間にどのくらい検索されているか調べる癖をつけましょう。
参考:Ubersuggest
検索ボリュームの調べ方は後述します。
CPCとは
CPC(Cost Per Click)とは、1クリックを獲得するための広告費用のこと。Google広告などを運用する人が見る指標です。
細かい説明は省きますが、CPCが高いキーワードは成約率が高い可能性があります。成約数を集めたいときは、検索ボリュームに加えてCPCの金額も見ましょう。
参考:Ubersuggest
共起語とは
共起語とは、検索キーワードと一緒に検索される可能性が高いキーワードのこと。
例えば、SEOキーワードの共起語には、次のようなものがあります。
参考:Ubersuggest
共起語を適切に記事に入れれば、共起語で調べた人も記事に流入するようになるため、1記事あたりの訪問者数を増やせます。
他のキーワードとは
他のキーワードとは、特定のキーワードで検索した際に、検索結果の末尾に出てくるキーワードのこと。
共起語と似ていますが、共起語と違うキーワードが出現することもあります。こちらも記事に入れましょう。
キーワード選定とは
キーワード選定とは、SEOキーワードや共起語を洗い出し、記事にするものとしないものをふるいにかけること。
主なキーワード選定方法には、次のようなものがあります。
【主なキーワード選定方法】(上から手をつけよう)
- ツールを使い選定する(必須)
- 本を読み選定する
- 競合サイトを参考に選定する
- Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトを見て選定する
ツールを使い選定する(必須)
もっとも基本的な選定方法です。
後述SEOキーワード選定ツール4つのいずれかを使うことで、特定の検索キーワードの①検索ボリューム、②共起語、③CPCがわかります。
ツールを使うだけで基本的なキーワードは揃います。ただ、ツールを使う際は、キーワードを自分で考えて、ツールに入力しなければなりません。
このような悩みがある場合は、以下の選定方法も試してください。
- 「そもそもキーワードが思いつかない」
- 「もっと幅広いキーワードを出したい」
- 「見落としがある気がする」
本を読み選定する
サイトやページがターゲットにしている分野の本からキーワードを探す方法です。見るべき箇所は、目次と索引です。特に索引にはガッツリとキーワードが書いてあるので手っ取り早いです。
競合サイトを参考に選定する
競合サイトがどんな記事を書いているのか参考にするのも一つです。目視でも構いませんが、後述ahrefsを使うと、競合が上位表示しているキーワードを機械的に洗い出せます。
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトを見て選定する
具体的な悩みについてリサーチしたい時はYahoo!知恵袋にキーワードを入れて検索してみましょう。ただ、ここまでしなくてもめぼしいキーワードは揃います。上記の方法を全部試して、さらにキーワードが欲しい時に試すのがいいでしょう。
【超実用的】集客につながるSEOキーワードの選定方法
SEOキーワード選定ツール4つで後述するツールを使い、キーワードを選定する方法、選定時の判断基準をご説明します。
検索ボリュームがあるキーワードを選ぶ
検索ボリューム0など、全く検索されないキーワードは避けましょう。最低限、毎月一定回数以上検索されているキーワードを選ぶことを覚えておいてください。
なお、検索ボリュームによって難易度や上位表示にかかる時間が異なってきます。参考までに、筆者の所感を述べます。
【検索ボリュームごとの所感】
検索ボリューム | 所感 |
10,000~ | 上がれば最高だが、上がるまで1~3年程度。後回し |
5,000~10,000 | 上がるまで1年程度。よほど狙いたいキーワードに限り執筆 |
3,000~5,000 | 頑張れば半年で1ページ目に食い込むことも。いいキーワードなら執筆 |
1,000~3,000 | 上がりやすさ、検索回数のバランス◎!書こう! |
100~1,000 | 上がりやすい!書こう! |
10~100 | 成約率が高そうなキーワードだけ書こう!(CPC高いやつ) |
※業界やドメインの強さによって上記所感が変わるので注意!
ちなみに冒頭で述べた①の記事群の検索ボリュームは10~100程度、②の記事群の検索ボリュームは1,000~5,000程度に収まる可能性が80%程度でした。この辺のボリューム感でCPCが高ければ、お宝キーワードの可能性があります。
より検索ボリュームが多いキーワードを探す
ツールに色々な関連キーワードを入れて、同じ意味でより検索回数が多いキーワードを探しましょう。
具体的な話をします。
当記事の場合、最初は「キーワード選定」で書く予定でした。
しかし、Ubersuggestを使うと次の結果が
- キーワード選定(VOL:1000)
- SEOキーワード(VOL:1600)←多い
このような場合、両方のキーワードをGoogleの検索窓に入れてみてください。
両者の検索結果が似ていればボリュームが多いキーワードを採用します。ボリュームが少ない方は、見出しに入れてもいいですし、無視しても構いません。この記事の場合は1記事で両方を狙う選択をしました。
両者の検索結果が異なれば別々に記事を作成します。
キーワードの特性を理解する
検索キーワードには、大きくわけてKNOWクエリとDOクエリがあります。
KNOWクエリ
KNOWクエリとは、調べ物をするときに検索窓に入れられるキーワードのこと。成約には繋がりにくいものの、後述のDOクエリよりもアクセスを集めやすい。サイトの認知拡大に向いている。
検索ボリュームは1,000以上あることが多い。
例)
- SEOとは
- キーワード選定とは
DOクエリ
DOクエリとは、行動する可能性が高いユーザーが検索窓に入れるキーワードのこと。アクセスは多くないが、成約率が高い(検索ニーズとソリューションが一致している前提)。
検索ボリュームは10~300程度、かつCPCが¥800前後かそれ以上であることが多い。
例)
- SEO対策 費用
- SEO対策 相談
購買欲が高い人が検索しそうなキーワードを狙う
この話をもう少し掘り下げてみましょう。ターゲットとする消費者の購買行動の流れを可視化(カスタマージャーニーマップ作成)することで、それぞれのフェーズにいる消費者に対して刺さる記事を作りやすくなります。
【購買行動の流れとそれぞれの特徴】
- 商品を認知する (検索ボリュームは多いが、購買率は低い)
- 商品が気になってくる (やや狙い目)
- 類似商品との比較 (ここを狙う)
- 購入検討 (ここを狙う)
- 購入後 (基本的には売れにくい)
アリエールの洗剤を売りたいと仮定して説明していきます。
1.商品を認知する (検索ボリュームは多いが、購買率は低い)
商品を認知した段階の人たち。「アリエール 洗剤」などと検索する。
検索ボリュームが最も多いですが、執筆優先度は、2~4に劣ります。
特定の分野で認知拡大をしたいかどうかで、書くかどうかを決めましょう。
2.商品が気になってくる (やや狙い目)
商品が気になり始めるフェーズです。洗剤のCMを何回か見て、ググってみたという段階です。
3.類似商品との比較 (ここを狙う)
洗剤を初めて買う人、別の洗剤を使おうとしている人が、「洗剤 比較」「洗剤 ランキング」で検索します。この辺から成約率が高くなってきます。
4.購入検討 (ここを狙う)
最後の一押し。「アリエール 洗剤 口コミ」「アリエール 洗剤 評判」などで検索し、本当に買っても良いかどうか判断する段階。
5.購入後 (基本的には売れにくい)
以下のような戦略がない限り、2~4の後に対応するのが無難。
- 特定の商品を買った人のアフターフォローをしたい場合
- 商品Aを買った人が次に欲しそうな商品Bを勧めたい場合
自社商品・サービスがある方は、ユーザーが増えてから書きたいところ。
自社商品・サービスない方は、洗剤を買った人は手が荒れるからハンドクリームが必要だろうな、という発想で、別商品を紹介するのもありといえばありです。
迷ったら実際に検索してみる
ツールを使えばキーワードが出てきますが、どのキーワードで書くかどうか迷うことがあるかもしれません。こんな時は、実際にGoogleで検索するのが手っ取り早いです。
検索結果を見て、サイトの見込み客が興味を持ちそうなページが多ければ記事を作成しましょう。
見つけたキーワードは1枚のシートで管理する
見つけたキーワードは、スプレッドシートなどで管理しておくと、今後混乱せずに済みます。例えば以下の項目を用意し、進捗状況や公開後のURLをメモしておくと、シート1枚でコンテンツの進捗を管理できます。任意で項目を付け足したり、減らしたりするのもいと思います。
1列目をスプレッドシートにコピペするとそのままコンテンツ管理シートとして使えます。
カテゴリ | サブカテゴリ | キーワード | 検索ボリューム | CPC | 備考 | 担当者 | 進捗 | URL(公開後) |
例)マーケティング | SEO | SEOキーワード | 1600 | 370 | seoキーワード選定 880 seoキーワード 入れ方 170 seoキーワードツール 170 seoキーワードとは 110 を見出しに入れる |
佐藤 | 公開 |
SEOキーワードの入れ方
では、具体的どんな感じでSEOキーワードを記事に入れれば良いのでしょうか?
具体例をお見せしつつご説明します。
キーワードだけでなく共起語・他のキーワードも入れる
キーワード意外にも、共起語・他のキーワードを入れましょう。
共起語・他のキーワードは、キーワードと相性が良いものを選びます。
キーワードは見出しに入れる
キーワードを意識的に入れる場所は見出しです。
共起語・他のキーワードも見出しに入れましょう。
見出しには主に、大見出し、中見出し、小見出しがあります。
記事公開時は、それぞれにh2タグ、h3タグ、h4タグをつけましょう。
h2~h3あたりに、自然な文脈で可能な限りキーワードを入れます。
わかったようなわからないような感じの方もいらっしゃるかもしれません。具体例を見ていきましょう。
SEOキーワード入れ方の具体例
キーワード・共起語・他のキーワード赤字
【目次】 1 SEOキーワード概要|初心者が押さえるべき用語はこの6つ 1.1 SEOキーワードとは 1.2 検索ボリュームとは 1.3 CPCとは 1.4 共起語とは 1.5 他のキーワードとは 1.6 キーワード選定とは 2 【超実用的】集客につながるSEOキーワードの選定方法 2.1 検索ボリュームがあるキーワードを選ぶ 2.2 より検索ボリュームが多いキーワードを探す 2.3 キーワードの特性を理解する 2.4 迷ったら実際に検索してみる 3 SEOキーワードの入れ方 3.1 キーワードだけでなく共起語・他のキーワードも入れる 3.2 キーワードは見出しに入れる 3.3 SEOキーワード入れ方の具体例 3.4 本文には自然な文脈で入れる 4 SEOキーワード選定ツール4つ 4.1 Ubersuggest:筆者愛用、使いやすい 4.2 キーワード プランナー:Google広告を配信している方向け 4.3 aramakijake.jp:無料 4.4 ahrefs:本格的なサイト運営者向け 5 まとめ |
大見出し(h2見出し)には、必ずキーワードが入っています。
人間が読みやすい 文脈で自然にキーワードを入れましょう。
本文には自然な文脈で入れる
導入文のなるべく最初の方にキーワードを入れましょう。記事の本文で何を説明しているのか、ユーザーに伝えるためです。
本文には、自然な文脈でキーワードを入れましょう。「何回入れなきゃいけない」等は全く気にしないで構いません。
SEOキーワード選定ツール4つ
キーワードの月間検索ボリューム、共起語、CPCを調べるツールです。検索されているキーワード、成約率が高いキーワードを見つけて、web集客を成功させるためには導入が必須です。
Ubersuggest:筆者愛用、使いやすい
Ubersuggest無料版では、1日3回までキーワードの検索ボリュームと共起語を確認できます。キーワードの共起語一覧をCSVダウンロードできるため、執筆候補のキーワードリストを作って管理しやすく、チームを作ってマネジメントする際にも便利。
とりあえず最初は無料で使って、使用頻度が増え次第有料プランを使うといいのではないでしょうか。筆者も長く使っていますが、大きな不満はありません。キーワードプランナーを使わないなら基本的にこれを使えば良いと思います。
キーワード プランナー:Google広告を配信している方向け
Google広告を配信している方はキーワード プランナーを使えば無料で検索ボリュームを見られます。
広告を配信していない方も無料で使えますが、検索ボリュームが10~10000のように表示されるので、正直あまり参考になりません。
aramakijake.jp:無料
完全無料で検索ボリュームを調べたい方には、aramakijake.jpが便利です。
ただ、あくまで検索数予想に過ぎないため、検索ボリュームの数値がざっくりしているのが難点。加えて、CPCがわからないため、キーワードが成約に近いかどうか判断しようがありません。
なんとなくどのくらい検索されているかわかればいい、という方は使ってみてもいいかと思いますが、本腰を据えて記事を作成するなら、最初からUbersuggestを使うといいと思います。
ahrefs:本格的なサイト運営者向け
SEOについて幅広い分析ができる本格的なツール。競合のサイトがどんなキーワードで上位表示しているのか、リストで習得できる点が最大のメリット。すでに100記事近く公開しており、競合とバチバチしのぎを削っているサイト向け。
大型のサイトであれば一定の費用対効果が期待できますが、単にキーワード選定をするだけであれば、Ubersuggestだけで十分です。
まとめ
以上、SEOキーワードについて最低限知っておきたい用語と、超実践的キーワード選定方法でした。
サイトや記事を作る以上、一定以上の成果を出したいところ。パフォーマンスの低い記事を量産しないためには、キーワード選定が重要、というお話しでした。
「キーワードの選定方法はわかったが、上位表示される記事の作り方がわからない」
という方は、SEOライティングの技法|1000記事書いてわかった執筆の極意【効果検証済】も併せてご確認ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。