SEOライティングとは、検索結果での上位表示を目指すライティング方法です。ツールを使って検索キーワードを選定し、検索者のニーズを満たす記事を作成します。
毎月一定回数以上、検索されているキーワードで上位表示を目指すことが最重要です。キーワードを意識して記事を書かないと、何10時間もかけて記事を書いてきたのに、半年たってもアクセスが全く増えないといったことが起こりえます。
実際、「アクセスが全然増えない」とサイトを作ったばかりの方によく相談されます。しかしこれは、具体的な方法さえ知っていれば解決可能な問題です。
この記事では、1,000記事書いてわかった(*)SEOライティングの技法をご紹介します。ワンランク上のライティングをするための本も紹介するので、あわせてご参考ください。
* 軽く自己紹介を。筆者は2016年~2018年まで某企業で専業ライターをしていました。当時は月間40本以上の記事を執筆。現在は専業ではないが、定期的に記事を書きます。今日までの通算執筆本数は1,000記事以上。Googleアナリティクスや検索順位チェックツールを使い効果検証をした上で、効果があった方法だけを解説します。
SEOライティングをする際は、クローラーとユーザー双方が理解しやすい文章を
SEOライティングをする際は、クローラー(機械)とユーザー(人)それぞれに向けて読みやすい記事を書く必要があります。
クローラーが理解しやすい文章とは?
【結論】
- 記事の構成を作成する際は、大見出し、中見出し、小見出し(*)をつくりましょう。
- 公開する際は、それぞれにh2タグ、h3タグ、h4タグをつけましょう。
*中見出し、小見出しは必要に応じて
【解説】
クローラーとは、インターネット上の情報を取得し、検索データベースを自動で作成するプログラムのこと。SEOを成功させるにはクローラーが理解しやすいサイト・ページの作成が欠かせません。
大まかな仕組みは…
- webサイトの情報をデータベース化
- データベースにあるページにランク付け
- ランクが高い順番に上位表示させる
サイト(ページ)を作成する際は、「このサイト(ページ)には、こんなことが書いてありますよ」と、クローラーに対して、機械が理解できる言葉(HTML)で伝える必要があります。
SEOライティングをする方は、記事公開時に見出しにh2タグ、h3タグ、h4タグをつけることだけ覚えておいてください。「この記事の構成・要点はこうなっているよ」とクローラーに伝えられます。
ユーザーの利便性を最優先に(SEOの至上課題)
【結論】
ユーザーとは、特定のキーワードで検索して、サイトへ訪れた人のことをいいます。
「このキーワードで検索した人は、何を知りたいんだろう?」
ということを考え、検索意図の答えになる記事を作成しましょう。
【解説】
上位表示されるためには、Googleの方針を理解する必要があります。
Googleの基本方針
検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
Googleは検索順位を決めるロジックを公開していません。そのため、試行錯誤をして上位表示される記事の作り方を見つけるしかありません。
クローラー対策だけを考えるのではなく、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に書いてあるGoogleの方針(ユーザーファースト)に合致するコンテンツを作る、というのがSEOの基本方針となります。
検索エンジンを使う人は、基本的に何かの概要を知りたかったり、自分が抱えている問題を解決したがっていたりします。特定のキーワードで検索をする際は、「このキーワードで検索する人は何を知りたがっているんだろう?」ということを考えて記事を書きましょう。市場ニーズを理解し、ニーズを満たすコンテンツを作るマーケットインの考え方がSEOにはフィットします。
自分が作りたいものを作れば誰かが読んでくれるだろうというプロダクトアウトの考え方だと、検索者のニーズを満たせるコンテンツを作れる保証はありません。自分が作りたいものを作ることが悪いと言いたいわけではありません。この記事でご紹介する方法で検索ニーズを理解し、ユーザーニーズに対して作りたいものを調整させられれば、一定以上の成果を期待できるでしょう。
SEOの基本をもっと知りたい方は、10年つかえるSEOの基本を読んでみてください。SEOの全体像がコンパクトに書かれています。ページ数は少ないものの、この本の内容を理解しておけば初心者の方は悩まずに済むかと思います
SEOライティングの手順と方法|執筆のコツを全て公開します
SEOライティングの手順は次の通りです。
- キーワード選定
- 構成作成
- 記事作成
- 記事公開
- 検索順位確認
- リライト
キーワード選定
後述SEOライティングの必須ツールでご紹介するツールを使い、キーワードを選定します。
キーワード選定の基準は、以下3点です。
- 検索ボリュームが多いか
- 成約率が高そうか
- 見込み客が検索しそうか
検索ボリュームが多いか
検索ボリュームとは、Google等検索エンジンで、特定のキーワードが月間に検索された回数のこと。
検索ボリュームが多いキーワードで上位表示された方が、多くのアクセスを稼げます。ただ、検索ボリュームが多くなるほど上位表示が難しくなるので、どの辺を狙うべきなのかしっかり考えたいところ。参考までに、検索ボリュームごとの筆者の肌感覚を述べます。
【検索ボリュームごとの所感】
検索ボリューム | 所感 |
10,000~ | 上がれば最高だが、上がるまで1~3年かかる。後回し |
5,000~10,000 | 上がるまで1年程度。よほど狙いたいキーワードに限り執筆 |
3,000~5,000 | 頑張れば半年で1ページ目に食い込むことも。いいキーワードなら執筆 |
1,000~3,000 | 上がりやすさ、検索回数のバランス◎!書こう! |
100~1,000 | 上がりやすい!書こう! |
~100 | 成約率が高そうなキーワードだけ書こう! |
※業界やドメインの強さによって上記所感が変わるので注意!
成約率が高そうか
成約率とは、特定のページを経由して商品などが売れた確率のこと。知りたい系のキーワードは成約率が低く、行動したい系のキーワードは成約率が高い傾向があります。
成約率が高そうなキーワードを調べるには、ツールを使いCPC(Cost Per Click)という指標を見てください。これは、リスティング広告を運用する人が、購買に直結しそうなキーワードを探す際に見る指標です。CPCが高いキーワードは成約率が高い傾向があります。
成約率が高いキーワード例
- 〇〇 相談
- 〇〇 比較
- 〇〇 ランキング
- 〇〇 おすすめ など
見込み客が検索しそうか
基本的に見込み客が検索しそうなキーワードを狙いましょう。
例えば、ダイソンの掃除機を売りたい人がいたとします。このとき、狙いがない限りは以下のキーワードで書くべきではありません。
- 「ダイソン掃除機 使い方」
- 「ダイソン掃除機 故障」
上記キーワードは、ダイソンの掃除機をすでに持っている人が検索するキーワードだからです。購入後のフォローのために書くのはアリですが、自社サイト経由の購入者が増えた後でも遅くありません。
初期段階で狙うキーワードは…
- 「掃除機 比較」
- 「ダイソン掃除機 評判」
- 「ダイソン掃除機 口コミ」
このキーワードで検索する人は、掃除機をこれから買おうとしている人であるため、成約する可能性が高いと考えられます。
集客できるかどうかはキーワード選定次第です。ここに書き切るには文量が多いため、SEOキーワードとは?プロが教える超実践的キーワード選定方法にて詳細を解説します。
構成作成
良い記事ができるかどうかは、構成を作り込めるかどうかにかかっています。構成が微妙だと、いくら頑張って書いてもなかなか上位表示されません。
ここでは、構成の作成方法について、2点を詳しくご説明します。
- 構成作成で意識するポイント
- 構成を効率的に作るコツ
構成作成で意識するポイント
執筆するキーワードで検索し、googleに評価されている記事を知ろう
執筆予定のキーワードで検索し、現在の検索結果を見ましょう。今上位表示されている記事はGoogleに評価されている記事です。どのような構成・内容にすればいいか参考にできます。
検索結果1ページ目に出てくる記事を全て確認し、どんな話題に触れているか確認しましょう。本文を全て読んでいると時間がなくなるので、タイトルと目次だけを見るとスムーズです。
見出しをつける
大見出し(h2)・中見出し(h3)・小見出し(h4)をつけましょう。
見出しにキーワード、共起語を入れる
不自然にならない程度に、見出しにキーワードや共起語を入れましょう。h2にはほぼ必ずキーワードや共起語を入れ、h3/h4には可能であれば入れると良いでしょう。
共起語とは、あるキーワードと一緒に検索される可能性が高いキーワードのことです。
共起語を見出しに入れることで、網羅性が高いコンテンツを作成できます。
例)seoライティング (1900)の共起語
- seoライティングとは (210)
- seoライティング 本 (170)
- seoライティング コツ (140)
- seoライティング 初心者 (20)
- seoライティングツール (10)
()内は検索ボリューム
検索ボリュームや共起語は、キーワード選定ツールを使えば出せます。
上記を踏まえて、どのように構成を作るのか具体例を見ていきましょう。
当記事のキーワードは、「SEOライティング」、共起語は「SEOライティング コツ」「SEOライティング ツール」等です。他の共起語は、内容的に別の記事にわけて書いた方がいいと判断しました。検索結果によっては、今回入れなかった共起語を今後追記することもありえます。
【目次】 1 SEOライティングをする際は、クローラーとユーザー双方が理解しやすい文章を 1.2 ユーザー検索ニーズを満たすコンテンツを作りましょう(SEOの至上課題) |
見出しを階層構造にする
見出しはこのように階層構造にしましょう。論理的にわかりやすい構成・記事を作るためです。
オリジナリティーを出す
構成の段階で、競合の記事との差別化になる見出しを考えておきましょう。他記事を参考にするだけでは、上位表示される記事は作れません。
構成を効率的に作るコツ
効率よく構成を作るコツは以下4点です。
- 見出しに入れるキーワード(共起語)をメモしておく
- 全体の構成をざっと作ってしまう
- 見出しタイトルは最後に推敲
- 記事本文で書こうとしている内容を箇条書きにしておく
サンプルとして、この記事を執筆した際の構成をお見せします。
例)この記事の構成メモ
①見出しに入れるキーワード(共起語)をメモしておく
上の方に一緒に上位表示を狙う共起語をメモしていると忘れずに済みます。
入れる可能性がある共起語も一応メモしておきましょう。当記事の場合だと、「SEO ライティング 初心者」などが見送られています。
②全体の構成をざっと作ってしまう
最初に構成をざっと作ってから本文の執筆に入ると効率的です。書きながら構成を考えると、何が言いたのかわからない文章になってしまいます。
③見出しタイトルは最後に推敲
タイトル、見出しタイトルにはこだわりましょう。
ユーザーはタイトルや目次をみて、本文を読むかどうか判断しています。
執筆しながら考えると筆が進まないので、執筆中は仮のタイトルをつけておき、執筆完了後に言葉を選ぶのがおすすめ。
④記事本文で書こうとしている内容を箇条書きにしておく
この項目はお好みで。
構成作成時に、本文で書きたいことを箇条書きでメモしておくと良いでしょう。論理構造がはっきりした文章が書きやすくなります。「う〜ん、何を書こう」と頭を捻らなくても、サクサク文章をかけます。
記事作成
ここからは、以下2点を解説します。
- どんな文章を目指すべきか
- 記事を早く書くコツ
どんな文章を目指すべきか
読みやすい文章
読みにくい文章だと、サイトからユーザーが離脱する原因になります。文章力に自信がない方は、文章作成方法に関する本を1,2冊読んでみてください。参考までに筆者がおすすめの2冊をご紹介します。
【参考書籍】
論理的な文章
最低限、筋の通った説明ができていれば問題ありません。記事執筆前に構成を作り、各章で書きたいことをメモしておくと、明快な文章を書きやすくなります。
【参考書籍】
他の記事より詳しい文章(読書推奨)
検索者のニーズに答えるためには、トピックに対する知識が必須。執筆分野の本を読みましょう。ネット上には検索結果だけを参考にし、本を読まずに書いたと思われる記事も少なくありません。本を読んでわかりやすく説明するだけで、質の低い記事とは差をつけられます。競合記事と差別化するには、ユーザー理解と専門知識を深めるべきです。
図解のある文章
必要に応じて図解を入れましょう。図解は手間がかかるため、やっていないサイトも少なくありません。効果的に使えれば、読みやすさに差をつけられます。
記事を早く書くコツ
- 誰か1人に向けて書く
- 書ける場所から書く
- ショートカットキーを使う
- タッチタイピング練習
- 執筆と推敲は別々に行う
誰か1人に向けて書く
具体的な誰かに刺さるようなコンテンツを目指しましょう。職場の同僚や友人に向けて書くようなイメージです。ちなみに、この記事は以前の職場の新人ライターに向けて書くイメージで作成しました。この方法で記事を書くと、想定した人と似た状況にいる人には刺さりやすくなります。
詳しく知りたい方は、ターゲティングやペルソナ設定などで調べてみてください。
書ける場所から書く
文章を書こうとしているが、筆が進まない…
ライターあるあるですね。
こんな時は、書きやすい場所から書いてみてください。5~10分程度書いていると、気づいたら筆が乗ってくることがあります。これを作業興奮といいます。やる気は行動した後に出てくるという心理学の考え方です。
特に、導入分やタイトル、見出しタイトルのような重要な箇所は、十分に頭があったまってから書いた方が効率的です。筆者は必ず最後に書いています。
ショートカットキーを使う
使っていない人は、ショートカットキー一覧を印刷して机の横に置いておきましょう。作業効率が一変します。
当記事では、Google ドキュメントでの記事作成を推奨しているので、Google ドキュメントのショートカットキーを載せておきます。
タッチタイピング練習
パソコンを触り慣れていない方はe-typingなどを毎日10分位やっておくと、業務効率が上がります。
執筆と推敲は別々に行う
記事を書いているときは、「日本語が変じゃないかな」など気になることが出てきます。ただ、書きながら修正しているとすごく時間がかかるので、記事のチェックは執筆が終わってから行いましょう。
執筆中は書くことだけに集中して一気に書き上げてしまうのがおすすめ。
気になる箇所が出てきたら、コメント機能を使って「あとで修正」と入れておくといいでしょう。
記事を書くときに活性化している脳の部位と、誤字脱字を探すときの脳の部位は異なります。一度に一つの作業に集中した方が、マルチタスクにならずに済みます。
SEOライティングについてもっと知りたい方は、以下の本を読んでみてください。
【SEOライティングの本】
沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—〈SEOのためのライティング教本〉
記事公開
記事を公開しましょう。見出しタグを忘れずに。
また、パーマリンクはわかりやすいものをつけてください。
検索順位確認
公開した記事の検索順位が上がっているかどうか、検索順位ツールを使って確認します。
リライト
半年から1年たっても順位が上がってこない記事(*)を書き直しましょう(リライト)。パーマリンクを変えると記事の評価がリセットされるので、既存のページに対して加筆・修正を行ってください。
サイト立ち上げ当初は新規記事を書きまくり、60記事以上揃ったあたりからリライトを入れていくと良いと思います。内容の濃い記事が一定数以上ないと、サイトが評価されず、記事が上がってきにくいためです。
*検索ボリュームが10,000を超えるようなビッグキーワードは、1年経っても上がらないため、まだ様子見でも良いかもしれません。
すでに記事が多いサイトの場合は、3ヶ月程度順位が変動しなければリライトに移るのもいいと思います。
SEOライティングの必須ツール
最後に、SEOライティングの効果を高めるためのツールをご紹介します。
- キーワード選定ツール
- 検索順位ツール
- ヒートマップ
キーワード選定ツール
キーワードの月間検索ボリューム、共起語を調べるツールです。検索されているキーワード、成約率が高いキーワードを見つけて、web集客を成功させるためには導入が必須です。
Ubersuggest:筆者愛用、使いやすい
Ubersuggest無料版では、1日3回までキーワードの検索ボリュームと共起語を確認できます。キーワードの共起語一覧をCSVダウンロードできるため、執筆候補のキーワードリストを作って管理しやすい。筆者も長く使っています。
キーワード プランナー:Google広告を配信している方向け
Google広告を配信している方はキーワード プランナーを使えば無料で検索ボリュームを見られます。
広告を配信していない方も無料で使えますが、検索ボリュームが10~10000のように表示されるので、正直あまり参考になりません。
aramakijake.jp
完全無料で使うならaramakijake.jpが便利。
ただ、あくまで検索数予想に過ぎないため、検索ボリュームの数値がざっくりしている。なんとなくどのくらい検索されているかわかればいい、という方は触ってみてください。
検索順位ツール
公開した記事が現在検索順位のどの辺にいるのか確認するツールです。リライトを検討する少し前に導入すると良いかと思います。導入前のデータは見られないので、順位変動の過程を見たい方は、早めに導入してください。
GRC
代表的な順位検索ツール。現在の検索順位だけではなく、過去から現在にわたる順位の変動もみられます。この機能があるため、「3ヶ月順位が変わらないからリライトしよう」という意思決定ができるようになります。
最安のベーシックプランは月450円。上位プランに行くほど分析対象のURLを増やせます。月額で契約し、分析したいURLが増え次第上位プランに変更すると良いでしょう。
ただ、基本的にwindowsにしか対応していません。Macユーザーの方は仮想化ソフトを入れれば使えます。
SEOedge
iOS APP。検索順位や検索順位の変動がみられます。Pro Packは3ヶ月$4.99(540円くらい)と良コスパ。スマホから検索順位を見たい方、仮想化ソフトを入れるのが面倒なMacユーザーの方はSEOedgeが向いています。
ヒートマップ(1~5万pvあたりから)
ある程度記事が揃ってきて、アクセスが増えた段階で導入を検討しましょう。pv(データの数)が少ないとヒートマップ表示されないため、初期段階から導入するメリットはほとんどありません。リライトをするタイミングでお試しください。
User Heat
無料で1月あたり30万PVまでヒートマップを作成できます。無料トライアルで分析できるデータ量が、競合ツールと比べて群を抜いています。
とりあえずヒートマップを作成し、記事のどこが読まれているのか知りたい方はUser Heatを導入しましょう。
Ptengine
Google Analyticsと連携し、アクセス解析も可。数値を根拠にで本格的な分析がしたくなったら導入するといいでしょう。色でユーザー行動がわかり、数値で起きていることを分析できるのが最大の特徴。ヒートマップを使って本格的な分析がしたい方に向いています。
本格的な改善をしやすくなるものの、30,000PV以上分析するには最低でも月額14,800かかります。コスパ優先ならUser Heatに軍配があがります。
まとめ
以上、SEOライティングの技法|1000記事書いてわかった執筆の極意でした。web集客を成功させるためのご参考になれれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。